2012年06月06日

仕事の選び方

たまたま読んでいた本の中で、二人の巨人が同じような答えを
されていて面白かったので、ご紹介。

仕事の選び方

吉本隆明 『15歳の寺子屋 ひとり』

■吉本隆明 - Wikipedia
吉本 隆明(よしもと たかあき、男性、1924年(大正13年)11月25日 - 2012年(平成24年)3月16日)は、日本の思想家、詩人、評論家、東京工業大学世界文明センター特任教授(講義はビデオ出演のみ)。日本の言論界を長年リードし、「戦後思想界の巨人」と呼ばれる他、右派の江藤淳に対して左派の論陣を張り、両者は戦後最後の「批評家」と評されている。

この本は、吉本さんが15歳の子供から質問を受け、答えていくという形をとっています。
その中で、なぜ今の仕事についたのですか?という質問に対する答えが以下です。

 「どういうきっかけでそういうことになったかときかれても、だからどういったらいいんでしょうね。
 ひとりでに道を歩いていたら、ほかの道がふさがっちゃって残ったのが『物書き』だった。
 そういうふうに考えるよりしかたがない。『こうなろう』と思ってなったというよりも、色々な道とか
 通路っていうのがあるとして、その通路がひとつひとつふさがっていくという思いをして、とうとう
 ここにたどりついた」

――――――――――――

谷川俊太郎 『谷川俊太郎質問箱』

■谷川俊太郎 - Wikipedia

谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう、1931年12月15日 - )は、日本の詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家。東京府出身。現在の東京都立豊多摩高等学校を卒業。

この本は、ウェブ上で受け付けた質問に、谷川さんが答えていくという
サイトのコンテンツを書籍化したものです。

スチャダラパーのボーズさんからの質問。

 「ぼくは、いまの仕事をやっていることに
 いつまでたっても自信がもてません。
 谷川さんが、
 『この仕事でこのままずっといけるな』
 と思われたのは、いつごろですか。
 また、そのきっかけを教えてください」

対して、谷川さんの答え。

 「ぼくの場合は消去法だったなー。
 つまり詩を書くことでやっていけると思ったというより、
 他に能がないから詩を書いてやってくしかないなあ、という感じ。

 (中略)
 
 自信って自分ひとりでもてるものじゃなくて、
 他人がもたせてくれるもんですよね。」



本って当然偏りがあるんですけど、何冊か読んでくうち重なる部分が出てくるんですよね。
そういう部分は信じてもいいんじゃないか、と思います。

逆に一冊の本が言っている事を鵜呑みにするのは、いくら自分と近い考えでも
ちょっと待てよ、と歯止めを掛ける必要があると思います。都合のいい解釈をして
しまっている場合があるので。

それはともかく、お二人とも面白い答えですよね。
『前向きな諦め方』とでも言いましょうか。勇気の湧いてくる言葉です。



同じカテゴリー(ビジネス)の記事
朝三暮四
朝三暮四(2012-10-12 19:51)

新人ふたり
新人ふたり(2012-10-03 21:01)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
仕事の選び方
    コメント(0)